望遠鏡を作ろう! 12 接眼部の作製 [望遠鏡を作ろう!]
鏡筒は最終段階接眼部の作製を行う。まず、アイピースが入る部分はVP30管を使用するが、内径が31mmに対し、31.7mmに広げなければならない。アイピースの公差を考えると31.75mm位ないと入らない物が出てしまう。以前のD50mmF10の時はサンドペーパーを使って手で一生懸命削った。アイピースのスリーブは長い物で25mmぐらいだが30mm位削った方がいいだろう。これでも特殊なバローレンズとかは入らないかもしれない。
内径を削っていくのだが、削りすぎるとユルユルになってガタがでる、削りながら自分の手持ちのアイピースの一番太い物で確認しながらの作業になる。結構時間がかかるので、いい方法はないか考えた。なんと、VP30管を電気ドリルのチャック部分に差し込んだら、ピッタリのサイズなのだ。これで内側にサンドペーパーを当てれば、かなり均等にしかも短時間で削ることができた。
接眼微動部の作製
この鏡筒の中で唯一の金属加工部分、結構めんどくさい。実際に使ってみると、この鏡筒で微妙な焦点調節が必要かというとちょっと微妙なので、「こんなめんどくさい物は嫌だ」という方は、この後の簡易版を参考にして欲しい。
まずは、いい加減な図面から。
実際は、こんな感じになる、入手しづらい物として、絶縁スペーサがある。これはトランジスタとか3端子レギュレータのフランジ(金属放熱部分)を電気的に絶縁してシャーシや放熱板に取り付ける物。電子回路の設計している方で私と同じ年代の方なら(最近こんな物使わないよな)ご存知のいはず。100個で200円ぐらいだったと思う。あと、つまみはM4のローレットネジを加工した物。回しやすいものでM3ネジで固定することができれば何でも良いと思う。
アルミアングルを加工し皿ネジで(塩ビ部分にはタップを切る)固定する穴径がφ2とφ2.5にしてあるのは穴位置の加工精度を上げないで作るためだ。(取り付け時にずらすことできる)
真鍮製のM3六角スペーサの横にM2のタップを切って取り付ける。ネジをとめた後M3のタップを軽く掛けるとバリとかがとれてスムースに調整ネジが動くようになる。
ネジとスペーサには、グリースを付けないと動きが渋い。ここには、ミニ4駆(長男くんが小学校の低学年の頃にはまっていた)の余ったグリスを使用した。
簡易版接眼部
インクリーザ(VP30-25用)を使う。太いほうを22mm残し、細いほうの先端を10mm位切り取る。これで光路的にも同じにできるはず。
これをメインドローチューブのVP50-40のインクリーザに取り付けるのだが、t=1mmの塩ビ板を入れてちょうどいいぐらいだ。インクリーザの内径にはテーパーがあるので奥ほどきつくなるのでそれに合わせて塩ビ板は調整する必要がある。
手で入れると、こんな感じ。プラスチックハンマーで叩き込む。
このままでは、内径が31.95mm0.2mmほど緩い。内側に張物が必要だ。部分的に3箇所ほど0.2mm厚のカッティングシートを貼れば、普通のアイピースなら、差し込むだけで固定できる。
つづく
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