望遠鏡を作ろう! 14 ファインダーの作製 [望遠鏡を作ろう!]
コスト優先で素通しファインダーとしたが、肉眼で見える星であれば、100倍くらいならこれだけで導入可能だ。
まずは完成時の写真から。
ファインダのアップ。VU65のC管で特に固定はしない。微妙な位置の調整や、利き目に合わせて位置を変えることができる。
これが、部品。今回は、すべて現物合わせ。図面はない。UV65を30mmに切り出し、長さ40mm程切り取ったC管の上に切り取った残りを貼り付けてある。それ以外は30x15mmのt=2mmアルミアングル、11x7(外形11mm、内径7mm)のアクリルパイプ、t=3mmの塩ビ板、VP16の塩ビ管、PP板(t=0.75mm)少々、ネジ・ワッシャー。
すべてネジ止めにした。素通しパイプと言えどもセンター位置がそこそこあっていないとファインダーとして使えないので、ネジは最後まで締めずに、若干動くように固定する。これで向きを調整することができる。
VP16の内径は約13mm、0.75mm厚のPP板を入れて11x7アクリルパイプがピッタリ入った。
アクリルパイプを使用したのは、暗視照明を行うため。これをONにすると、暗いとこではファインダー全体が少しだけ赤く光る予定だ。
つづく
望遠鏡を作ろう! 13 フードの作製 [望遠鏡を作ろう!]
(申し訳ありません。半分くらい6/2の記事の焼き直しです)
フードを作成する。フードは不要な外光がレンズに入ることを防ぐだけではなく、夜露でレンズが曇ってしまうのを防ぐ効果もあるらしい。自分の感覚では、デザインとして鏡筒全体に対し、フードがある範囲内の大きさに入っていると、バランスよく(カッコよく)見える気がしている。今回は、下の写真のサキイカのケースを採用することにする。
とりあえず、上下をカット。VU65の継手を約2cmにカットする。
仮組みした。ちょっと緩めだ。
サキイカのケースと継手の間に0.5mm厚の塩ビ板を入れるとかなりピッタリとして接着剤なしで固定することができた。
サキイカケースの外側にカッティングシートを貼り(サキイカのラベルは当然剥がした後に)、内側には植毛紙をを貼り付ける。これで、迷光対策だけではなく、結露にも効果があるはずだ。
これを対物セルに取り付けると、ここも少し緩めなので塩ビ継手の内側に2箇所3cmmほどのカッティングシートを貼り付けた。これでほぼピッタリだ。
つづく
望遠鏡を作ろう! 12 接眼部の作製 [望遠鏡を作ろう!]
鏡筒は最終段階接眼部の作製を行う。まず、アイピースが入る部分はVP30管を使用するが、内径が31mmに対し、31.7mmに広げなければならない。アイピースの公差を考えると31.75mm位ないと入らない物が出てしまう。以前のD50mmF10の時はサンドペーパーを使って手で一生懸命削った。アイピースのスリーブは長い物で25mmぐらいだが30mm位削った方がいいだろう。これでも特殊なバローレンズとかは入らないかもしれない。
内径を削っていくのだが、削りすぎるとユルユルになってガタがでる、削りながら自分の手持ちのアイピースの一番太い物で確認しながらの作業になる。結構時間がかかるので、いい方法はないか考えた。なんと、VP30管を電気ドリルのチャック部分に差し込んだら、ピッタリのサイズなのだ。これで内側にサンドペーパーを当てれば、かなり均等にしかも短時間で削ることができた。
接眼微動部の作製
この鏡筒の中で唯一の金属加工部分、結構めんどくさい。実際に使ってみると、この鏡筒で微妙な焦点調節が必要かというとちょっと微妙なので、「こんなめんどくさい物は嫌だ」という方は、この後の簡易版を参考にして欲しい。
まずは、いい加減な図面から。
実際は、こんな感じになる、入手しづらい物として、絶縁スペーサがある。これはトランジスタとか3端子レギュレータのフランジ(金属放熱部分)を電気的に絶縁してシャーシや放熱板に取り付ける物。電子回路の設計している方で私と同じ年代の方なら(最近こんな物使わないよな)ご存知のいはず。100個で200円ぐらいだったと思う。あと、つまみはM4のローレットネジを加工した物。回しやすいものでM3ネジで固定することができれば何でも良いと思う。
アルミアングルを加工し皿ネジで(塩ビ部分にはタップを切る)固定する穴径がφ2とφ2.5にしてあるのは穴位置の加工精度を上げないで作るためだ。(取り付け時にずらすことできる)
真鍮製のM3六角スペーサの横にM2のタップを切って取り付ける。ネジをとめた後M3のタップを軽く掛けるとバリとかがとれてスムースに調整ネジが動くようになる。
ネジとスペーサには、グリースを付けないと動きが渋い。ここには、ミニ4駆(長男くんが小学校の低学年の頃にはまっていた)の余ったグリスを使用した。
簡易版接眼部
インクリーザ(VP30-25用)を使う。太いほうを22mm残し、細いほうの先端を10mm位切り取る。これで光路的にも同じにできるはず。
これをメインドローチューブのVP50-40のインクリーザに取り付けるのだが、t=1mmの塩ビ板を入れてちょうどいいぐらいだ。インクリーザの内径にはテーパーがあるので奥ほどきつくなるのでそれに合わせて塩ビ板は調整する必要がある。
手で入れると、こんな感じ。プラスチックハンマーで叩き込む。
このままでは、内径が31.95mm0.2mmほど緩い。内側に張物が必要だ。部分的に3箇所ほど0.2mm厚のカッティングシートを貼れば、普通のアイピースなら、差し込むだけで固定できる。
つづく
望遠鏡を作ろう! 11 ドローチューブ摺動部の作製 [望遠鏡を作ろう!]
少しずつカットする。
パチンとはまった。
ドローチューブ用のVU40管をいれると、ちょっと緩いので、アルミテープを外側に貼り付ける。パイプの径には結構ばらつきがあるのでこの部分で調整を行う必要がある。緩いとガタが出る。きつすぎるとピント調整を行うのが大変だ。
手持ちのアルミテープが厚さ0.1mmカッティングシートが0.2mm。これらで調整を行う。
アルミテープを貼った分長さを短くし、パチンとはめる。
微調整様のVP30の部分も同様。こちらは、調整の必要はなかった。
つづく
望遠鏡を作ろう! 10 鏡筒の組み立て [望遠鏡を作ろう!]
鏡筒の最終的な組み立てを行う。迷光処理に植毛紙を貼り付けるのだが、直接貼り付けるのは、かなり難しい。そこで、植毛紙をまず、クリアホルダ(写真の左のようなやつ)に貼り付けて、筒の内側にピッタリ入るサイズにカッターで切り取って、外周部をビニールテープで止める。
まず、ドローチューブ。インクリーザに遮光環を入れる。
ドローチューブになるUV40管を叩き込み(接着はしない)植毛紙を入れる。遮光環を入れ、植毛紙同様に入れるが、この部分には外周に両面テープを1cmぐらいに切った物を2〜3ヶ所入れてとめておかないと移動時に脱落してしまう可能性が大きい。
同様に鏡筒本体ののUV65パイプにも遮光環と植毛紙をいてて行く。
UV65のパイプに主鏡セルを入れるのに、1mmの塩ビ板と1重のカッティングシートでは、ちょっと緩くすぐに脱落してしまう状態なのでネジ止めすることにした。光軸のずれもこれの締め付け方で補正できると思う。まず、主鏡セルの止め穴をφ3.2mmのドリルで広げ、M4のタップでネジを切る。
UV40の鏡筒パイプにφ4.5mmの穴をあけトラスネジで主鏡セルを取り付けた。
つづく
望遠鏡を作ろう! 9 カッティングシート貼り付け [望遠鏡を作ろう!]
まず、裏紙が方眼紙のようになっているのでこれに沿って切り取る。
どのくらいかというと、円周方向に1cmぐらい重なりができるぐらい、長さ方向は、両端が1〜2cmぐらい余るぐらいがいいと思う。
まず、数滴の洗剤を混ぜた水を霧吹きで、塩ビ管に吹きかける。
裏紙を2cmぐらいはがして
塩ビ管に貼り付ける。このとき、しわになったり空気が入らないように気をつける。水を吹きかけてあるので、多少の失敗は、はがしてやり直しができる。
裏紙を2〜3cmはがし、霧吹きをかけて貼っていく。
このときに、空気や余った水が残らないように、タオルを使ってこれらを追い出すように貼っていくのがコツ。
全部貼り終わったら、両端の余った部分をカッターで切り落とす。
つづく
望遠鏡を作ろう! 8 鏡筒の作製 [望遠鏡を作ろう!]
塩ビ管を必要な長さに切断し、切断面をヤスリ掛けし、C管を作る。C管は、パイプの厚みX2パイ(2 x 3.14)切り取ることになる。
切断する分をマジックで線を引き、切り過ぎないように切断していく。
まず、はじめに切断する側は完全に切り落とさないのがコツ。完全に切断してしまうと、固定されないので、もう片側を切断するときに作業性が非常に悪くなる。
向きを換えてもう片側を切断する。
C管をメインのパイプに入れてこんな感じならばBest。ユルユルならば、C管を作り直す必要がある。
サンドペーパーでなるべく平らに削る。
こんな感じでピッタリ入るまで少しずつ削っていく。
1mmの塩ビ版も同様にパチッと入るぐらいに少しずつ削っていく。
これが、接着剤。右側のスポイトを使って隙間に流し込む要領で行う。
(写真が抜けていたので追記2008/07/21)
この時、接着剤が多くて流れ出ると、その部分のパイプが解けてしまうので注意が必要。余計に流さないよう注意して作業する。もし、流れてしまったら、ティッシュとかぼろ布ですぐにふき取ること。またこの溶剤は体にあまりよくないし、甘い嫌なにおいがするので、室内で作業を行わないほうがいいと思う。
ドローチューブの接眼部分も同様に切り出し、プラスチックハンマーで叩き込み、接着剤で固定する。ドローチューブとなるVU40パイプは光軸合わせが必要なので接着は行わない。
内部の迷光対策と、後からカッティングシートの貼りにくいインクリーザ部に黒板スプレーで塗装を行う。
VU40パイプを入れる部分は塗装の厚みで入りにくくなるので、サンドペーパーなどであとから削る必要がある。
つづく
望遠鏡を作ろう! 7 遮光環を作る [望遠鏡を作ろう!]
遮光環を作る。材料は黒ケント紙。私は、ハンズで購入したが、あまり一般的には売っていないと思う。白いケント紙を墨汁で塗るとか、いろいろ代替案はあると思う。7/1の記事のように遮光環を入れるのだが、まず外形(筒の内径)に円カッターで切り出す。このとき、軸の針をそのままズブっと刺すと円を切っているうちに軸の穴が大きくなってすぐに0.5mmぐらいはずれてしまう。これを防ぐために、軸の針の部分にアルミの小片にポンチ(千枚通しでも可)で凹みをつけた物を両面テープで貼り付けておくとずれにくくなる。
鏡筒のパイプに入れてチェックをする。きつくなく動く程度がBest。
内径も同様に切る。チョットくらいずれてもあまり気にしない。ただ内径はきれいに切れなかったところは、紙やすりなどを軽く掛けて整形しておくといいと思う。
つづく
望遠鏡を作ろう! 6 迷光対策 [望遠鏡を作ろう!]
鏡筒を設計するときに、迷光対策をチャンと考えないと良く見える望遠鏡は作れない。迷光とは、対物レンズから入った光が鏡筒内部で反射して接眼レンズに入ってしまい、見え味が悪くなってしまうものだ。迷光対策としては、鏡筒内部に反射を少なくする植毛紙を貼ったり、反射の少ない塗装をする方法と、遮光環を入れる方法があり、通常はこの両方を使用する。基本的な反射防止には、植毛紙を使うつもりだ。遮光環はどの位置にどのような物を入れるかを設計しないと、迷光は対策できても有効径を狭くしてしまってはもともこもない。この鏡筒には下図の様に5枚の遮光環を入れることにした。
これで、1.7度(20mm、見かけ視野60度ぐらいのアイピース)で有効径を十分に使用でき迷光はほぼ完璧になくすことができる。
焦点距離の異なる対物レンズを用いる場合は、CADを使って光路図を書けば簡単に適当な遮光環とその位置を設計することができる。
つづく
望遠鏡を作ろう! 5 鏡筒の切り出し [望遠鏡を作ろう!]
鏡筒は3つのブロックに分けられる。下の図の3段の鏡筒本体、ドローチューブ、微調用ドローチューブ。ピント微調整部分はこれ以外に金属加工が必要なので、チョッと大変かもしれない。これを基本として、簡単バージョンとアップグレードバージョンも紹介したいと思う。
塩ビ管は6/24記事のように切断していく。C巻とは、下の写真の様にパイプの一部を切り取ったもの。なるべく組み合わせをピッタリに作らないと接着がうまくいかない。はじめは外のパイプに入らないぐらいに切り出して、少しずつ削ってチョッときつめに入るように作るのがコツだ(あまり大きすぎると削るのが大変だが)。径の調整用の塩ビ板やPP板も入るパイプの内周よりもチョット大きめに切り出して、少しずつ短くして、「パチッ」と入るぐらいじゃないとうまく作ることはできない。
つづく