望遠鏡を作ろう! 4 塩ビ管の切断 [望遠鏡を作ろう!]
今日は、塩ビパイプの切断の仕方。
まずは、切断したい寸法を図る。
この位置に合わせて、なるべくたるみがないように紙を巻きつける。
その紙に沿って、マジックで一周マークをする。
継手の様に段差があったり、上記の紙巻付けができず、端面の垂直度がある程度期待できる場合は、簡易トースカン法?(なるべく平面の上にパイプを置き固定したマジックで一周マークする)
線に沿って、金ノコで切断する。この時、パイプを回転しながら切断すると切断しやすい。
切断した断面は、当然ガタがある。
頑張って紙やすりでマークした線に合わせて削る。紙やすりは専用のホルダーに付けるか、できるだけ平面の板に貼り付けて削るといい。
削り終わると端面もきれいで直角もそこそこ出る。
つづく
望遠鏡を作ろう! 3 望遠鏡の材料 [望遠鏡を作ろう!]
今回は望遠鏡の材料をホームセンターで購入できる物をメインに説明します。
■塩ビ管
鏡筒の材料には塩ビ管を使用する。塩ビ管は水道や排水用に利用されており、ホームセンターに行けば各サイズパイプおよび継ぎ手を安価に購入することができる。また、切断・接着が容易であるのも大きなメリットだ。接着には塩ビ用の接着剤を使用するが、「イレクター」という組み立てパイプ用の「サンアロー接着剤」が便利。塩ビを溶かして接合する粘性の非常に低い液体なので塩ビ管を組んだ後に流し込めば接着を行うことができる。しかし、隙間のある部分には不向きだ。
塩ビ管には、主に上水用の肉厚のVP管、下水用で肉薄のVU管の2種類があり、「呼び径」で太さを規定している。VP管、VU管で同じ呼び径であれば外形の大きさは同一である。普通の(大きな店舗以外の)ホームセンターにはVP管は呼び径30以下、VU管は40以上を取り扱っているようだ。
下にこれらの内径・外径寸法の表を示すが、あまり精度の高い物ではない(公差が±0.5mmぐらいある)ので、実際の工作ではある程度現物合わせで削ったりスペースを埋める必要がある。
呼び径 内径(mm) 外径(mm)
VP 25 25 32
30 31 38
VU 40 44 48
50 56 60
65 71 76
75 83 89
■塩ビ管継ぎ手
継ぎ手には、同径同士の接合のためのソケットと異径のパイプを接続するインクリーザがある。内部は上記のように公差の大きい物を(当然水漏れのないように)接合するためにテーパーが付いて奥ほどきつくなるようになっている。内部は塩ビ管挿入のため滑らかに仕上げてあるが外側にはメーカーロゴやゲート痕それにサイズを現す下の写真右のように50x40などが出っ張っている。塩ビむき出しではかっこ悪いし、塗装するためにもこれらはヤスリで削りましょう。(50x40なんて入っていると口径40mm50倍と間違われる恐れが...ないか)
■樹脂板
・塩ビ板
塩ビ管を鏡筒に使用するので、径の違いを補正する場合に接着を考えると塩ビ板を使用するのがベストだ。塩ビ板はt=1mm以下であれば普通のカッターナイフや鋏で切断できる。t=3mmくらいの場合Pカッターで両面ともに0.5mm削れば、パチンときれいに割ることができる。ホームセンターではアクリル板とかと同一のコーナーに置かれているが、大きな店舗だとカラーアクリルとかの棚にあるものより、定尺のでかい板のならびに300mm x 450mmぐらいに切断したものが安く売っている場合があるので、そちらを選んだ方がいいと思う。色付やスモークもあるが、工作する場合裏側が見えるので透明の物が加工に便利だ。
・ポリプロピレン(PP)板/ポリエチレン(PE)板
ドローチューブのすり合わせのような部分には塩ビ同士だとスムーズな動きは期待できない。このような部分で使えそうなのがPP板。PP板はt=0.75mmの物が多い。百均で335x500mmでt=1mmの物が(当然105円で)売っていたので今回はこれをメインに使いたい。
ホームセンターではあまり見かけないのだがPE板をいままで使ってきた。架台のフリーストップの摩擦部分をPE板とアルミ板で作ると結構いい感じで作ることができる。ハンズとかに行けばそれほど高くない値段が付いている。
・その他
フッ素系樹脂(テフロンとか)は非常に高価。私は以前1枚購入したが、もったいなくていまだに使用したことがない。
ポリアセタール(POM)とかも厚い材料でいい物が作れそうだが、今回はパス。
■アルミ
最近けっこう値上がりしている気がする。ホームセンターで購入できるアルミ板はA1050というほとんど純アルミ。ちょっと柔らくて工具が目詰まりをする。タップを切ってもあまり信用できない。厚さは0.5、1、 2、 3mmぐらい100x300mmとか150x150mmが最小で販売されている。
アルミアングルはたぶんA6063だと思う。アングルは押し出し材なので思ったほど面が平面ではない(真ん中がくぼんでいる)。表面がヘアライン仕上げでアルマイト加工されているのできれい。
つづく
望遠鏡を作ろう! 2 対物レンズの購入 [望遠鏡を作ろう!]
望遠鏡を自作する場合一番の問題は対物レンズをどうやって購入するかということである。「望遠鏡 自作 塩ビ」とかでググると対物レンズは、コプティック星座館で購入、星まつりでゲット、クローズアップレンズ使用、などと書かれている。(あ、「なずな工作室」もヒットしてる。)コプティック星座館には行ったことがないが(一度行ってみたが場所がわからなく、清原光学と書かれた民家の前で引き返してしまった。今はそこに移転しているらしい)、常にちょうどいいレンズが在庫しているわけではないらしい。星まつりも同様、昨年の原村には双眼鏡用と思われる短焦点の張り合わせのレンズが結構出ていたが(買っておけばよかった)いいものをゲットできるのは難しい。カメラ用のクローズアップレンズはヨドとかビッグとかに常時在庫しているが、アクロマートはNo.2(焦点距離500mm)までで、サイズが55mmを超えると無茶苦茶高価になる。望遠鏡専門店に行けば自作用部品が在庫してあるかというと、ボーグのパーツとして在庫はあるだろうが、安い自作用のレンズなんてまず置かれていない(しかし、望遠鏡専門店ってなんか入りにくいよね、敷居が高いというか...最近は少し慣れてきたけど)。というわけで、webショップを利用するしかない。でも、対物レンズを安価で、扱っているところってあまりない。私が利用しているのはスコープタウン、安価な対物レンズの選択がいろいろできる。ものによっては、時々「準備中」になるが1ヶ月ぐらいすれば購入できるようになってる。あと、5千円以上で送料・代引き手数料が無料なので結構小額からでも気楽に購入できるということもある。
このような理由で、対物レンズはスコープタウン扱いのD60mm fl700mmを使用することにした。ちゃんと質問すれば図面データをもらえるかもしれないが、まずは購入して寸法を計ってみた(詳細部分はいい加減です)
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これは、自分が購入したものを実測した大体の寸法で、次ぎに購入してこれと同じになることは保障できないと思う。(でも、こんなものの金型を頻繁に変えるような事はあまり考えられない)
これを使って、塩ビパイプを組み合わせで図面に落とすとこんな感じになる。
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つづく
望遠鏡を作ろう! 1 [望遠鏡を作ろう!]
D60mmF11.6塩ビ望遠鏡の試作がすべて完了した。写真をUpしようと思ったがカードリーダがどうしても見つからない。フォーク式の架台ですすめてきたが、片持ちに変更してしまった(今気づいたけどファインダーどうしよう)。まだ、ちゃんと星を見ていないのだが、4/29にテストした段階では結構いい感じだった。作り方の説明を書かなければいけない都合があるので、連載でまとめてみたいと思う。
まず、作る望遠鏡のスペックを決めなければならない。基本概要は以下のようにした。
1.休日2〜3日あれば作れること
・大変だと途中で投げ出してしまう可能性大
2.材料費はアイピースを入れないで5〜6千円ぐらい(たぶん)
・ダメでも、いい勉強だったと思える金額
・いいアイピースはピンきりなので
・百均ルーペでアイピースを自作する手もある
・(工具・塗料は別ね)
3.マンションのベランダでも使え家族に邪魔だといわれないサイズ
・庭とかルーフバルコニーのある家ならならば長いの作ってください
4.かっこ良いこと(かっこ悪くないこと)
・自作なんで不細工なところもあるけれど、かっこ悪いのはチョッと...
5.初心者でも簡単に扱えること
6.当然、月のクレーター、土星の輪、木星の縞はそこそこ見えること
・一応望遠鏡なので
これからスペックは
対物レンズ: D60mmアクロマートfl700mm F11.6
鏡筒: 塩ビパイプ
架台: 木製経緯台
三脚: 木製
その他: DSCを後から対応可能
とした。
つづく