最近作ったもの⑤ DSC実験架台 [天体・工作]
フリーストップの経緯台です。
近くのホームセンターで110mm x 200mm x t12mm のコンパネ端材が1枚10円でたくさん売られていたので、これを使って作りました。鏡筒バンドも同様です。PCでCartes du Cielを走らせてこれを頼りに星を探します。曇って星が見えないときは、ワンセグでテレビを見ることもできます。
アガチス材のφ80mm 厚さ20mmの円板の中心に穴をあけM6の鬼目ナットを打ち込み、1mmのポリエチレンの円板を貼り付けて、アルミ板との摩擦をネジの締める量でコントロールします。適度の摩擦が得られる所でナットでダブルロックし、ネジが緩まないようにしています。
フランジベアリングを穴を開けたアルミ板に取り付け、M6のステンキャップのネジが切られていない部分が軸になるようにします。
これには、DSC(Digital Setting Circles(導入支援装置))の実験装置が乗っています。回路は、PIC16F648AとUSBシリアル変換のIC(FT232BM)が載っています。どういう実験かというと、「精度がどれだけ低くても使い物になるのか?」という点です。
エンコーダはマウスのセンターホイールを2個使っています。私が使ったマウスはスリットが48個あり(48パルス/回転)、2相なので4倍の192ticsとなります。当然これを軸につけても解像度が足りないので、各軸の円板の外周にホイール(直径25mm)が転がるように取り付けます。これで80/25の減速ができるので約614ticsとなり0.58度の精度が得られます。いろいろ調べたのですが、こんな精度の低い例はありませんでした。でも、低倍率でこの望遠鏡を使う場合、視野は2度ぐらいあるので、ちゃんと導入できれば視野内に入るはずです。
センターホイールには、クリック感を出すために金具が付いていますが、これをはずすとスムースに回転します。また、これを使った利点としてバネが付いているので、円板に密着することができます。当然円板の中心がちゃんと出ていないと誤差が多くなるので、円板の軸にネジを付けボール盤にくわえて回転し、ヤスリを側面に当てて削り真円度と中心を出します。
検索すると、このようにマウスをエンコーダとして使用するものが結構あるのですが、受光素子に2対のフォトトランジスタが使われていると書かれているのですが、私の使ったものは3端子の特殊なICでした。オシロスコープを使ってマウスとしての動作を調べ、大体の動作を推測しどうにか使うことができています。
2007年7月には、このDSCを使ってさそり座いて座付近のメシエ天体(光害地なので肉眼では見えません)の導入することができました。M6とかM7の散開星団は50mmF10でもすぐ見えます。M8はなんかあるよねと言う感じ。M4などの球状星団は明るいはずなのに良く見えません。あとCiel使うと惑星でもアライメントできるんです。このときさそり座にいた木星でアライメントできました(アンタレスが近くにいたので木星を使う必要なかったんですが)。
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