新型DSC用 抵抗センサ [天体・DSC]
PICのADコンバータを使う予定なので10bitしかない。ちょっと足りない気がする。
また、垂直軸はいいのだが、水平軸に使った時330度のみを使用して残り30度は使用範囲外とするか、中が2個のボリュームになっているのでこれをうまく使うか悩みは多い。
とにかく、D60用の架台に搭載予定。
超ローコストDSCを考える [天体・DSC]
DSC(Digital Setting Circles)を作る場合、ロータリーエンコーダの入手方法とコストが一番の問題だと思う。精度の高いものが必要であれば、高級なエンコーダが必須なのは当然であるが、自分のように「星空の迷子にならなかればよし」とする場合は、そんなに精度の要求はないと思う。ローコストなエンコーダーとしては、以前に書いた、マウスを利用する方法があるが、取り付け方法が結構面倒である。
今考えているのは、抵抗式のセンサを利用したDSCである。抵抗式のセンサって?という方がいると思うが、ボリューム(可変抵抗器)を利用するわけだ、ボリュームは回転角度により抵抗値が変化するので、両方の固定端しに一定の電圧を加えれば可変端子には角度に応じた電圧が発生する。これをAD変換すれば角度がわかるはずだ。
ボリュームにはA型、B型とかあるが(他にもあると思う)、B型は回転角と抵抗値が比例するのでこの用途には向いていると思う。ポテンションメータと呼ばれているような部品であればより精度が高いと思われる。
垂直軸は90度しか必要ないので、普通のボリュームでも使用が可能だ。しかし、ボリュームは一般的に300度ぐらいしか回転できないので、水平軸に使用することができない(南天のみとかならOKだけど間違ってそれ以上回してしまうとメカ的に壊れるかもしれない)。
ちょっと調べていたら、アルプス電気にRDC80 という360度回転できる抵抗センサが存在する。しかも、アキバの有名店(ロボット系の)で販売しているらしい。
仕様書を見てみると絶対精度はあまり高くなさそうだが、調整を行えば、そこそこ使えるかもしれない。
ゴールデンウィークはポンセットマウントを頑張る予定なので、その後にこの実験を始めたい。
あ~また課題が増えてしまった。
DSC の詳細3 ファーム編 [天体・DSC]
私は、PIC16F648Aを使用して、インターバルタイマ割り込みで、エンコーダの値を読み込み、mainルーチンのループでUARTの処理を行いPCとの通信を行っています。これはエンコーダの状態遷移によるポートの変化で割り込みをかける処理を行った場合微妙な位置では割り込みが多重にかかったり、頻繁にかかることによる弊害があると考えたためです。PCとの通信は9600bpsと非常に低速なのでmainルーチンのループ処理で充分実行可能です。
Cartes du Cielではエンコーダ設定をNGC-MAXに設定したときには、以下の2つのコマンドのみサポートすれば動作することが判りました。
コマンド |
PCからの返り値 |
コメント |
Q |
("%+05d\t%+05d\n",az,alt) |
現在のエンコーダの値を返す(16ビットの符号付データ) |
("R%+05d\t%+05d\n",az_max,alt_max) |
R |
PCからエンコーダのtics値を設定する |
az = エンコーダの方位の現在の値(符号付き)
alt = エンコーダの高度方向の値(符号付き)
az_max = 方位方向に360度動かしたときのエンコーダの最大値(符号なし)
alt_max = 高度方向に360度動かしたときのエンコーダの最大値(符号なし)
\t = <tab> = 0x09
\n = <cr> = 0x0a
表記はC言語のprintfに準拠しています
垂直軸に加速度センサ、水平軸に方位センサをつければ、回転軸にメカ的な工夫をしなくても簡単に取り付けられるDSCが実現できるのではないかと考えています。CelestronのSkyScoutとかはたぶんこのようなセンサを使っていると思います。でも、これらを使うためには温度や電圧、また一番大きいのが取り付けに関する誤差をどのようにすれば補正して楽にセッティングできるかということと、それらの精度を使用範囲(2000tics程度は必要)に収めるかという点です。
PCは、望遠鏡を買う(作る)人ならほとんど所有している時代だと思うので、DSCを望遠鏡に標準装備して私のような星空の迷子をなくしたい。。。なんて、ちょっと大袈裟ですね。
今日もビールを飲んで、しかも記憶だけで(ソースぐらい見て確かめろ)書いている部分があるので間違いがあるかもしれません。
そのときは密かに修正しますのでよろしくお願いします。
DSC の詳細2 ロータリーエンコーダ偏 [天体・DSC]
ロータリーエンコーダは昨日書いたように400ticsしかありません。
試作で600tics程度で使った場合、そこそこ使えるのですが、ステップが荒いので画面がピョンピョン跳ねる感じでいまいちです。少なくとも2000tics程度が必要でしょう。
200mmF4反射鏡では、普通のドブの耳軸のように大きな円板が付いているのですが、これは摩擦で適度なフリクションを得るためのもので、軸はM6のステンキャップを使っています。
そこで、この円板の側j面とエンコーダの軸を摩擦で滑らないように転がす構造にしました。円板がφ90mm、エンコーダの軸がφ6mmなので 400 x 90 / 6 = 6000 tics と十分なはずです。ただし、アガチス材と金属のエンコーダ軸では滑ってしまいます。アガチス材円板の円周には薄い滑り止めテープを貼り付けてあります。垂直軸は90度しか動かないのでつなぎ目は、エンコーダの軸にあたらない部分にもっていけます。
エンコーダの軸が円板から離れて滑ってしまうと使い物にならないので、ばねでテンションをかけています。軸はM3ビスをナイロン製の絶縁用のワッシャーでガタがないように取り付けました。
水平軸も同様です。(ちょっとピントが合っていない)
これにも滑り止めテープが貼り付けてあります。360度以上ぐるぐる回すとつなぎ目を超えてしまい誤差が発生すると思いますが、南天と北天の観測を一晩で何回も行うことなんてメシエマラソンでもしない限りないと思うので、良しとします。
つづく
DSC の詳細1 電気偏 [天体・DSC]
今日は雪。横浜では珍しく、けっこう積もリました。
工作をいろいろやろうと考えていましたが、この寒ささではベランダ工作は無理なので、1日ポタ赤関連の設計をしていました。(といっても大半はごろごろしていましたが)
DSCの試作を50mmF10の時に書きましたが、これは本番(200mmF4反射用)です。
アキバでドブの経緯台部分に木ネジで取り付けられるようなケースを見つけました。多少の夜露には耐えられると思います。上の写真の緑の丸の部分に取り付けてあります。
ふたを開けると下ように基板が入っています。ユニバーサル基板がちょうど取り付けられるタッピングビス用のボスまで付いていました。また、この基板の下に穴を開け、ケーブルで2つのロータリーエンコーダにつながっています。
回路はPIC16F648A、USBシリアル変換FT232RL、水晶発信器、コネクタとCR少々でできてしまいます。前回の試作ではUSBシリアル変換にFT232BMを使い、ちょうどいい変換基板がなかったのでQFPから直接半田付けで線を出して、とんでもない配線になっていましたが、この構成では、28ピンSOP→2.54mmピッチ変換のユニバーサル基板を使ったのですっきりしています。2つのロータリーエンコーダに行く部分はそれぞれ独立したコネクタにしてあります。(これは、配線が逆でも差し替えで簡単に直せるようにしたためです。)
DSCはDave Ekさんが本家のようで、彼のデザインをそのまま踏襲しRS-232Cで接続する方がほとんどですが、いまどきのPCにはRS-232Cなんて付いていませんし、USBで接続すればバスパワーが使える(エンコーダによっては使えないかもしれません)ので電源の心配も要りません。またPIC16F648AにはUARTがハードウェアで入っているのでソフトウェアも楽に組めます。
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DSCを作る場合一番問題となるのがロータリーエンコーダの入手です。これは岩通アイセック(今調べたら社名変更して岩通システムソリューション株式会社になっていました)製のEC202A100Aを2個使っています。これは、アキバの千石通商とかで普通に販売しています。(ジャンク屋をいっぱい回ったけれどちょうどいいのはなかなかないです。)ただ、これは100パルス/回転(400tics)しかないのでメカ的に増やす工夫が必要です。
つづく